- 病院と比べて訪問リハビリはどうして給料が高いんだろう?
- 訪問リハビリは今後も稼げるのかな?
- 訪問リハビリの分野に転職を考えているけど、今すぐにした方がいいのかな?
こんな疑問や悩みを解決します。
- 訪問リハビリの給料が高い理由4選
- 訪問リハビリの給料が今後下がっていく可能性について
- 転職は今やるべきなのか
- リハビリ職がやっておくべき対策
本記事では訪問リハビリが今後も稼げるのかについて解説。
訪問リハビリの現状・今後の可能性を知っておくことで、自分がどう動くべきかわかってきます。
訪問リハビリの方が給料が高いからとりあえず転職したいと考えている人は1度本記事を読んでください。
訪問リハビリの給料が高い理由4選
訪問リハビリの給料が病院より高いところが多い理由は以下の4つ。
- 需要がある
- 単価が高い
- コストが少ない
- インセンティブがある
1つずつ解説していきます。
1.需要がある
こっちゃん
ちゃんけん
2020年 | 2025年 | 2055年 | |
65歳以上 | 3,619万人(28.9%) | 3,677万人(30.0%) | 3,704万人(38.0%) |
75歳以上 | 1,872万人(14.9%) | 2,180万人(17.8%) | 2,446万人(25.1%) |
人口全体が減少傾向なのに対して、高齢者は今後も増加傾向。
病院の数も減少してきており、在宅での医療が求められる時代になってきています。
これらのことからも訪問リハビリの需要は今後も増えていくと予想されます。
2.単価が高い
こっちゃん
ちゃんけん
・病院でのリハビリの単価(※施設基準Ⅰでの単価)
脳血管 | 運動器 | 廃用症候群 | 心大血管 | 呼吸器 |
245点 | 185点 | 180点 | 205点 | 175点 |
・訪問リハビリの単価(R3年3月改訂時点)
訪問リハビリには病院や施設から出向く訪問リハビリと、訪問看護ステーションから出向く訪問看護の2種類があります。
訪問リハビリ | 307単位 |
介護予防訪問リハビリ | 307単位 |
訪問看護 | 293単位 |
介護予防訪問看護 | 283単位 |
病院リハビリのどの疾患よりも訪問リハビリの方が単価が高いです。
訪問リハビリは移動時間があるので、総単位数は病院の方が多いかもしれませんが、同じ単位数であれば訪問リハビリの方が一人あたりの稼げる額は多くなります。
3.コストが少ない
こっちゃん
ちゃんけん
病院や施設では入院・入所している人が多いので、設備投資や医師・看護師・介護士その他のコメディカルをたくさん雇う必要があるのでコストがかかります。
訪問看護ステーションの場合、そこで治療・リハビリをするわけではないので、設備投資が少なく、人件費も病院と比べて少なくすみます。
転職サイトで高収入な仕事を調べてみると、ほとんどが訪問看護ステーションになっているのが現状です。
4.インセンティブ制度がある
こっちゃん
ちゃんけん
全ての事業所であるわけではないですが、インセンティブ制度が導入されている事業所もあります。
簡単にいうと訪問件数が増えれば給料が上がる仕組み。
経験年数で給料が決まらないので、若い人にとってはモチベーションの向上にも繋がります。
訪問リハビリは今後も稼げるのか?
こっちゃん
ちゃんけん
理学療法士として仕事をするのであれば、医療・介護報酬の改訂は売上に影響してきます。
1単位あたりの報酬が下がれば、その分療法士が稼げるお金は減っていくことになるでしょう。
令和3年3月に介護報酬の改定があったので、訪問リハビリ・訪問看護ステーションの現状と将来の予測を紹介。
訪問リハビリ
訪問リハビリは病院・施設などで勤務している理学療法士が患者さんのお家に出向いてリハビリをします。
医者との連携が取りやすいところが訪問看護ステーションとの違い。
訪問リハビリの単価推移(※改訂時の単価)
平成27年度 | 平成30年度 | 令和3年度 | |
1回(20分) | 290単位 | 292単位 | 307単位 |
訪問リハビリの単価は年々増加傾向。
リハビリテーションマネージメント加算など、書類関係の報酬が変わったりしていますが、全体的に一人あたりの報酬は増加しています。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは事業所に看護師が必ずいて、在宅で生活している人が急変時にも対応することが可能。
理学療法士は訪問看護ステーションの一員として患者さんの身体機能・ADLの向上を目的にリハビリを提供します。
訪問看護ステーションの単価推移(※改訂時の単価)
平成27年度 | 平成30年度 | 令和3年度 | |
1回(20分) | 302単位 | 296単位 | 293単位 |
訪問看護ステーションからのリハビリの単価は減少傾向です。
訪問看護ステーションのリハビリでは要支援の人と要介護の人では単価が異なります。
要支援 | 283単位 |
要介護 | 293単位 |
さらに令和3年の改訂で、1日3回以上の場合要介護の方であれば1回あたりの単価が90/100に、要支援の方は1回あたりが50/100になりました。
これについてまとめると
40分 | 60分 | |
要支援 | 566単位 | 425単位 (50/100) |
要介護 | 586単位 | 791単位 (90/100) |
要支援の方の場合60分のリハビリをするより40分のリハビリをした方が単価が高くなる現象が起きています。
これまで要支援の方中心にリハビリを提供していた事業所にとってはびっくりするような制度改訂になったと思います。
今後の予測
こっちゃん
ちゃんけん
訪問看護ステーションのリハビリの単価は下がっていき、訪問リハビリの単価が上がっているのが現状。
訪問看護ステーションの看護師の単価が上がっていることからも、国の方針としてはリハビリは訪問看護ステーションではなく、訪問リハビリを中心に活動するように促してきている感じがします。
今回の報酬改定では結果的に見送りになりましたが、改訂案として訪問看護ステーションの看護士の比率を6割以上にするといった話も出ていました。
このような話が出ていることからも、訪問看護ステーションにおける理学療法士の給料は現在の水準より下がる可能性があることは頭に入れておきましょう。
訪問リハビリへの転職は今やるべきか
こっちゃん
ちゃんけん
訪問リハビリの中でも訪問看護ステーションの給料は病院・老人保健施設より給料が高いところが多く、
病院勤務+アルバイトの(週6勤務)より訪問看護ステーション(週5勤務)単体の方が給料が高かったりします。
こっちゃん
- 現場では1人のため不安
- 給料が下がる可能性
- 移動が大変
1つずつ解説していきます。
現場では1人のため不安
こっちゃん
ちゃんけん
医療現場をあまり知らない新人セラピストにとって訪問リハビリは少しハードルが高いかもしれません。
病院であれば、他にスタッフがたくさんいて、急変時にもすぐに助けを求めることができるからです。
新人には訪問リハビリができないのかというと、そういうわけではありません。
訪問看護ステーションの数も増えてきており、新人でもしっかり研修をしてくれるところも増えてきています。
現状、訪問リハビリは病院より給料が高いため、最終的に訪問リハビリに行こうと思っている人は早めに転職をすることお勧めします。
移動が大変
こっちゃん
ちゃんけん
訪問リハビリは病院や・施設と違って、家〜家へ移動しないといけません。
自転車の移動となると夏の暑い日や雨の日など季節によっては移動が大変になります。
場所によっては車で移動できるところもあるので、自分がどのような働き方をしたいのかよく考えて行動してみましょう。
給料が下がる可能性
こっちゃん
ちゃんけん
訪問リハビリ、特に訪問看護ステーションの給料は今後減少していくかもしれません。
しかし、給料が下がりそうだから転職を辞めておくのはもったいないです。
現状、病院の給料が年収300万〜400万円ぐらいに対して、訪問看護ステーションは400万円~500万円以上のところが多いです。
今の給料水準は次の令和6年の改訂までは続くと思うので約3年間。
この3年間を病院で年収350万円で働くのか、年収450万円で働くのかで300万円以上の収入の差が生まれます。
病院で4年間働いた分の給料を訪問リハビリでは約3年間で稼げるのが現状。
給料が高いうちに訪問リハビリの経験をしておいて、自分の知識・技術の向上しておくのも1つの方法だと思います。
こっちゃん
ちゃんけん
給料を下げる場合、現在訪問リハビリで働いている人ではなく、これから入職してくる人の給料を下げるでしょう。
現在働いている人の給料を下げるのは、経験者が退職に繋がってしまい経営者にとって経営が難しくなってしまいます。
早めに動いておけば給料低下のリスクも軽減できるかもしれないので、給料を上げたい、もっと稼ぎたいと思っている人は早めに動くことをオススメします。
リハビリ職がやっておくべき対策4選
こっちゃん
ちゃんけん
訪問リハビリだけでなく、リハビリ職全体の給料が今後も下がっていくことが予想されます。
何も考えずにただ毎日の仕事をただこなしていると、将来生活が苦しくなってくるかもしれません。
そうならないためにも今から対策をしておきましょう!
- 知識・技術の向上
- 転職活動
- 収入源を増やす
- 資産形成を始める
これら4つの対策は今すぐやっておいた方がいいです。
下記の記事で理学療法士の給料が安い理由・やっておくべき対策を紹介しているので、もっと詳しく知りたい人は参考にしてみてください。
理学療法士の給料が安い原因5選『続けるリスクと脱却するための対策も紹介』まとめ
こっちゃん
ちゃんけん
訪問リハビリの給料は今後下がっていくに違いないから、今の病院にいようと思っている人も多いと思います。
それも1つの手ですが、病院の給料も今の水準が保証されていないことは頭に入れておいてください。
訪問リハビリの給料は病院などと比べるとまだまだ高い水準です。
少しでも今の生活をよくしたいと思う人は転職を検討してみましょう。
最後に、どういう人に訪問リハビリへの転職をオススメなのかを紹介。
- 訪問リハビリを経験したい
- 年収が300万未満〜350万円ぐらいで給料に不満がある
- 毎日の仕事をこなすだけになっている
- 残業が多くて時間が作れない
このような項目に複数当てはまる人は1度転職サイトに登録してみて、自分の市場価値を調べてみてもいいかもしれません。
求人を見ると、自分の給料より高いところがたくさんあることを知れます。
転職サイトに登録すれば必ず転職しないといけない訳ではありません。
登録をして自分の希望条件を伝えれば、それに近い企業を紹介してくれるので、自分で1から探すよりはるかに効率がいいです。
転職サイトは無料なので、やって損はないですよ!
オススメの転職サイトについては以下の記事で紹介しています。
理学療法士・作業療法士にオススメの転職サイト『マイナビコメディカルについて』
こっちゃん