- 登録理学療法士ってなに?
- 登録理学療法士の取得方法がわからない
- 登録理学療法士を取得することにメリットはあるの?
こんな疑問や悩みを解決します。
- 登録理学療法士の制度について
- 登録理学療法士の取得方法を解説
- 登録理学療法士のメリットについて考察
本記事では2022年4月より運用が開始される予定の「登録理学療法士制度」について現役の理学療法士が考察。
登録理学療法士はこれから理学療法士として働く人、現在PTとして現場で働いている人には大きく関わってくる事です。
最後まで読めば、登録理学療法士の制度・取得方法・メリットについて分かるので、今後の方針が決まってくるかもしれませんよ。
登録理学療法士ってどんな制度?
登録理学療法士についてよくわからない人もたくさんいると思います。
この制度をどのような目的で理学療法士協会が作ったのかを順番に把握していきましょう。
要点は以下の4つの項目にまとめています。
- 登録理学療法士ってなに?
- 新人プログラムとの違い
- 新人プログラムを終えていれば自動的に登録理学療法士になるのか
- 登録理学療法士の目的
- 5年ごとの更新制
- 認定や専門理学療法士との違い
この3つを知っておけば、人に聞かれても説明することができます。
登録理学療法士ってなに?
こっちゃん
ちゃんけん
これまで多くの理学療法士が卒業後、理学療法士協会に入会し、新人教育プログラムを受けてきました。
登録理学療法士というのは、この新人教育プログラムの中身が一新したプログラム。
- 臨床基礎能力
- 理学療法実践能力
- 理学療法マネージメント能力
言葉で書くと難しそうな感じがしますが、
中身は社会に出て必要なスキルと、医療人としての基礎を学ぶプログラム構成になっています。
新人プログラムとの違い
こっちゃん
ちゃんけん
・新人教育プログラムと登録理学療法士取得までの違い
新人教育プログラムの履修は1年もあれば容易でしたが、登録理学療法士は最低でも5年を要します。
前期研修2年、後期研修3年が最短履修期間。
新人プログラムを終えていれば自動的に登録理学療法士になれるのか
こっちゃん
ちゃんけん
新人プログラムと登録理学療法士では必要な勉強時間が大きく異なるので、残念ながら全員が登録理学療法士にすぐになれるわけではありません。
これについては後半の登録理学療法士の取り方で入会年度別に分けて解説します。
登録理学療法士の目的
こっちゃん
ちゃんけん
理学療法士が抱える問題の1つとして、売上が新人でもベテランでも一緒であることが挙げられます。
これは理学療法士の技術ではなく、20分1単位という時間を切り売りしていることが原因。
売上が変わらないということは給料が上がりにくくなります。
それに伴って理学療法に対して向上心を失う人も多いはず。
そのような状況を打破するために登録理学療法士の制度ができたと考えられます。
日々学び・成長していることを形にし、社会にアピールすることで、理学療法士の中で差別化を測っていくことが、この制度の目的になっていると思います。
✳️給料が安い原因をもっと詳しく知りたい人はこちらの記事もどうぞ
理学療法士の給料が安い原因5選『続けるリスクと脱却するための対策も紹介』5年ごとの更新制
こっちゃん
ちゃんけん
新人教育プログラムの時は更新制ではありませんでしたが、登録理学療法士は5年ごとの更新制。
勤務形態に関わらず(居住地域、多様な働き方・職場環境、ライフイベント等)登録理学療法士を更新し続けることができる仕組みになっています。
- ポイント取得
- 「JPTA NEWS」「理学療法学」を利用した問題回答
- 日本理学療法士協会のeラーニングによる受講
- 研修会・講演会・ワークショップ等の受講
- 学会への参加
- 更新時研修の受講
ポイント取得と更新時研修の2つを、取得年度から5年度以内に達成しておく。
これら2つを取得できるタイミングも決まっているので注意。
・ポイント取得
登録理学療法士を取得した年度を含めて5年目の12月31日までにポイントを取得。
(更新1回目〜5回目は50ポイント、6回目以降は10ポイント)
・更新時研修
取得年度を含めた5年目に講習を受ける(対面講習or eラーニング)
(更新1回目〜5回目は必須受講、6回目以降は任意受講)
5年ごとの更新制度を設けることで、理学療法士の質を社会に保障していこうという取り組みになっています。
認定・専門理学療法士との違い
こっちゃん
ちゃんけん
制度改定後は登録理学療法士を取得していないと、認定・専門理学療法士を取得することはできません。
認定理学療法士は臨場現場に特化した人、専門理学療法士は研究などの学問に特化した人を理学療法士協会が資格という形で証明します。
登録理学療法士の入会年度別の取得方法
これまでに理学療法士協会に入会し、活動をしていた人に損がないように、登録理学療法士を取得するための項目を免除する制度があります。
入会してからの年数によって免除される項目が変わってくるので各年度ごとに紹介。
新人教育プログラムを取得していると仮定しているので、まだ取得していない人は2021年度に取得しておきましょう。
入会年度別の登録理学療法士取得方法
2022年に入会した人は前期研修・後期研修を順番に進めていきましょう。
もっと細かく知りたい人は理学療法士協会のホームページから確認してみてください。
参考 日本理学療法士協会登録理学療法士の入会年度別取得方法ログイン→会員専用コンテンツ→生涯学習制度→新生涯学習制度への移行で確認できます。
登録理学療法士取得のための費用
こっちゃん
ちゃんけん
・前期研修 無料
・後期研修 有料(金額未定)
後期研修の費用がどれぐらいかかるのかは現状未定です。
年会費を2万円近く出しているので、研修はそこまで値段を上げて欲しくないですね。
登録理学療法士を取得するメリット
最後に登録理学療法士を取得するメリットについて解説していきます。
- 知識・技術が増える
- 認定・専門理学療法士の取得につながる
- 今後の自分の収入を守る
- 転職などの病院外での活動で有利
1つずつ解説していきます。
知識・技術が増える
こっちゃん
ちゃんけん
患者さんにとって、勉強をしている人・していない人、どちらにリハビリを受けても払う金額は同じです。
これではリハビリの質を維持することは難しいですよね。
登録理学療法士はそのような差を埋めるための制度でもあると私は考えています。
5年ごとの更新制にすることで、一定の学習が必要になり、知識・技術が増えていくのでリハビリの質の向上に繋がります。
認定・専門理学療法士取得につながる
こっちゃん
ちゃんけん
登録理学療法士を取得しないと認定・専門理学療法士の取得はできません。
自分の価値を向上させたい人、せっかく勉強するなら何か形に残る物が欲しい人は登録理学療法士の取得を目指しましょう。
今後の自分の収入を守る
こっちゃん
ちゃんけん
登録理学療法士取得で給料が変わることはあまりなさそうです。
診療報酬が一定なので、給料に差別化を作るのが難しいのが現状。
しかし、今後はどうなるのかわかりません。
初任給が下がり、登録理学療法士を取得すると今の給料水準になるといった給与形態になる可能性もあります。
転職などの病院外での活動で有利
こっちゃん
ちゃんけん
制度が始まっていないので、わからないところもありますが、転職などの外部活動などで有利になるかもしれません。
理学療法士の実績を証明できるものって学会発表や施設での活動ぐらいです。
学会発表や施設で仕事プラス他の活動をしている人ってそこまで多くないですよね。
そういう人にとっては登録理学療法士や認定・専門理学療法士は努力してきた証になり、自分の強みになると思います。
価値がないと言う人もいるかもしれませんが、何もやっていない人よりは確実に有利です。
まとめ
登録理学療法士の制度・取得方法・メリットを紹介しました。
協会費や研修費などお金がかかるだけでなく、時間も必要になるので、自分にとって価値があるのかを考えてみましょう。
個人的な意見ですが、理学療法士としてこれからも働こうと考えている人は、知識・技術の向上だけでなく、リスク管理の面でも取って置いた方がいいかもしれません。
周りがやっているからやるのではなくて、自分がどうするべきかを考えて行動していきましょう。
こっちゃん