日本国内に住むすべての人は、20歳になってから国民年金の保険料を納付する義務が発生します。
しかし、学生で本人の所得が一定額以下の場合には在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。
- 「学生納付特例制度」のメリットとデメリット
- 将来の年金はどうなる?
- 免除期間の保険料を追納したらどうなる?
今回は、この「学生納付特例制度」を利用した際の将来の年金額はどうなるのか紹介していきます。
ちゃんけん
学生納付特例制度のメリットとデメリット
学生納付特例制度を実際に使った場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
学生納付特例制度のメリット
国民年金保険料は全国一律の金額であり、令和3年度は月額16,610円です。
年間にすると約20万円にもなるので、保険料が免除になるならば家庭にとっては有難い制度ですよね。
そして、保険料が免除になることに加え、以下の2点が考慮されます。
・学生納付特例を適用した期間も受給資格期間とみなしてくれる
・万が一、不慮の事故や病気などで障害や死亡した際も対象となる
年金の受給資格を得るためには、保険料の納付済期間等が10年以上必要になりますので、
将来年金を受給申請する際にこの学生免除期間がとっても大事なポイントになるかもしれません。
また、考えたくはありませんが万が一、不慮の事態が起きた際も「障害基礎年金」や「遺族基礎年金」が支給されるので、万が一のときも安心です。
学生納付特例制度のデメリット
学生納付特例制度は、年金受給期間としてはその期間を含んで計算するのですが、年金額の計算対象となる期間には含まれません。
すなわち免除期間は支払っていない期間となるため、将来の老齢基礎年金がその分減額となります。
こっちゃん
しかし、その減額となってしまう部分を補うために追納という制度が設けられています。
10年以内であれば保険料をさかのぼって納めることで、老齢基礎年金を増額することが出来ます。
追納ができるのは追納承認された月の前10年以内です。
そして追納する場合、当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされますので支払額が高くなる可能性があります。
将来の年金はどうなる?
ここからは、学生納付特例制度を適用せず20歳から60歳の40年間納付した場合と、
適用して免除を受けた場合の将来受給できる年金はいくらになるのか見ていきましょう。
こっちゃん
年数 | 老齢基礎年金※令和3年度の価格 | |
40年(全納) | 780,900円(満額) | |
39年 | 761,400円 | △19,500円 |
38年 | 741,900円 | △39,000円 |
37年 | 722,400円 | △58,500円 |
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表より、1年間免除(約20万)を受けた場合、将来受け取る基礎年金が毎年△19,500円減となります。
そして免除期間や未納期間が1年増えるごとに+19,500円が減額されてしまうということです。
免除期間の保険料を追納したらどうなる?
1年間免除を受けていたが、社会人になって資金に余裕ができてきたので追納しようかな?
そんなことを思った際に、実際に追納すると年金はどうなるのか見ていきましょう。
1年間免除→約20万円免除
年金減額19,500円✖️10年=約20万円
65歳から年金受給を開始したとすると、75歳になるまでの10年の間は免除金額と減額金額がほぼ同額となるため、
むしろ保険料を払った人はやっとここで払った分を取り返すことが出来た、と思っていただけると分かりやすいと思います。
ですので、追納をした場合は11年後にやっと払った保険料より受給年金額が多くなるということです。
こっちゃん
まとめ
学生納付特例制度のメリットとデメリットを紹介しました。
将来受給できる年金は追納すると11年後から払った金額よりも受給する金額が多くなるので、
追納するかどうか少し悩むかと思いますが、もし追納した場合はその保険料分は年末調整や確定申告にて
社会保険料控除として控除することができるので、所得税・住民税が少し安くなるというメリットはあります。
将来の大切な収入源になることだと思いますので、今一度しっかり考え最善の方法を選択しましょう。
こっちゃん