心理療法(精神療法・認知行動療法)まとめノート『理学療法士国家試験対策』

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今回は臨床心理学の中でも範囲が広くて学生を悩ませる心理療法について解説していきます。

心理療法は毎年国家試験で出題がある頻出問題なので、めんどくさがらずに必ず覚えておきましょう。

心理療法のまとめ

心理療法は大きく2つに分けることができます。

  • 精神療法
  • (認知)行動療法

これら2つに分けて解説していきます。

精神療法と(認知)行動療法の違いはこちら

精神療法 (認知)行動療法
問題 無意識のうちに抑圧された心的外傷 誤った学習

適応行動ができない

対象 無意識 行動

精神療法は無意識の領域(過去)に対してアプローチするのに対して行動療法は行動している状態(現在)に対してアプローチする治療法です。

この治療法ほうが精神療法か行動療法のどちらかといった問題は出たことがないので、この分類は頭の整理するために知っておくだけで良いですよ。

精神療法

精神療法の種類はこちら

  • 来談者中心療法
  • 精神分析療法
  • 森田療法
  • 箱庭療法
  • 内観療法
  • 催眠療法
  • 集団精神療法

1つずつ解説していきます。

来談者中心療法

来談者中心療法で覚えておくべきポイントはこちら

  • ロジャースが提唱
  • 治療者が来談者を従属させるのではなく、来談者の話を聞いて来談者自らが洞察を得るように無条件の肯定的関心を持つ
  • 非支持的態度

治療法をまとめると難しい文面が並んでしまいますが、要約すると患者さんを中心に治療しますよってことです。

精神分析療法

精神分析両方で押さえておくべきポイントはこちら

  • フロイトにより提唱
  • 自由連想法により無意識に抑圧されていた葛藤を意識化させる
  • 言語化能力が未熟な児童には不適応

フロイト・自由連想法・無意識というワードが出れば精神分析療法です。

森田療法

森田療法で押さえておくべきポイントはこちら

  • 森田正馬によって提唱
  • あるがまま療法とも呼ばれる
  • 心の葛藤に無理に立ち向かわずにあるがままを受け入れることで症状を受け入れながら生活できるようにする治療方法

森田・あるがままと出れば精神療法の1つです。

箱庭療法

箱庭療法で押さえておくべきポイントはこちら

  • 言語表現の未熟な児童にも適応が可能
  • 一定の大きさの箱に様々な人形や模型を自由に並べていく治療方法

精神療法の問題で児童にも適応できる治療方法と出ればほぼ箱庭療法です。

内観療法

内観療法で押さえておくべきポイントはこちら

  • 吉本伊信によって提唱
  • 自分がしてもらったこと・迷惑をかけたことを繰り返して想起する治療方法
  • 非行の症状に適応

迷惑をかけたことも想起するのが内観療法の特徴です。

催眠療法

催眠療法で押さえておくべきポイントはこちら

  • 暗示によって患者を特殊な意識状態に導き、心身の緊張・不安を取り除いたり・抑圧されていた感情を表現させたりする。
  • 解離性障害・心身症に適応

集団精神療法

集団精神療法で押さえておくべきポイントはこちら

  • 参加者同士の相互作用から各自の問題点を明らかにして治療する
  • アルコール依存症の方にも適応

アルコール依存症が出れば集団精神療法に関する問題の確立が高いです。

(認知)行動療法

(認知)行動療法の種類はこちら

  • 曝露法(エクスポージャー)
  • トークンエコノミー法
  • 系統的脱感作法
  • バイオフィードバック法
  • セルフモニタリング法

1つずつ解説していきます。

曝露法(エクスポージャー)

曝露法で押さえておくべきポイントはこちら

  • 不安や恐怖の中での行動を我慢させて、不安や恐怖に慣れさせる方法
  • 古典的条件付けの原理を用いている

古典的条件つけの原理

MEMO
パブロフの犬のようなブザーが鳴れば餌がもらえることを繰り返すことで、ブザーがなれば餌がなくてもよだれが出るようになるといった状態になることを言います。

曝露法の場合は餌の代わりに不安や恐怖を与え続けて慣れさせる方法です。

トークンエコノミー療法

トークンエコノミー療法で押さえておくべきポイントはこちら

  • 良いことをすれば報酬としてトークン(代用紙幣)がもらえる
  • オペラント条件付けに関連
  • 小児自閉性障害などの小児疾患に適応

オペラント条件付けの原理

MEMO
好ましい行動が行われた時に報酬を与えると、より好ましい行動が強化されていく手法

小児に適応できる認知行動療法であることを覚えておきましょう。

系統的脱感作法

系統的脱感作法で押さえておくべきポイントはこちら

  • ウォルピにより提唱
  • 古典的条件付けの原理
  • 徐々に不安を感じる刺激を与えて慣れさせていく

系統的脱感作法も暴露法と同様に古典的条件付けの原理を用いているのを覚えておきましょう。

徐々に刺激を与えていくのがポイントです。

バイオフィードバック法

バイオフィードバック法で押さえておくべきポイントはこちら

  • 生理反応を測定し、良い・悪い状態を患者に示すことで治療する方法
  • 不安神経症・強迫性観念に適応

数値や波形をフィードバックすることで状態把握をしやすいのがこの治療法の特徴。

セルフモニタリング法

セルフモニタリング法で押さえておくべきポイント

  • 自分の考え・感情・行動を客観的に観察して記録し、自らが適切な状態にコントロールする方法

バイオフィードバックと違い、自分で確認して修正するのがこの方法の特徴です。

 

心理療法まとめノート

勉強用(保存用)に心理療法のまとめノートを作成したので必要な方は保存してください。

精神療法まとめノート

精神療法まとめノート

(認知)行動療法まとめノート

認知行動療法まとめノート

心理療法関連の理学療法士国家試験問題

実際に心理療法に関する国家試験問題を紹介。

第56回 午後 問81

問 オペラント条件付けが用いられる認知行動療法の技法はどれか。

1. 系統的脱感作法

2. 斬新的筋弛緩法

3. 曝露反応妨害法

4. フラッディング法

5. トークンエコノミー法

 

オペラント条件付けが用いられる認知行動療法はトークンエコノミー療法になるので5が正解。

フラッディング法は患者に故意に強い不安や恐怖を覚える状況に陥らせる方法で曝露法と似ています。曝露法との違いはフラッディング法はいきなり最強の刺激を加えてしまうことです。

斬新的筋弛緩法は特定の筋肉の緊張と弛緩を意識的に繰り返して行うことにより身体のリラックスを導く方法です。

第55回 午前 問81

問 治療者が指示や助言を与え、非適応的な行動をコントロールすることを目的とした治療法はどれか。

1. 芸術療法

2. 森田療法

3. 精神分析療法

4. 来談者中心療法

5. バイオフィードバック法

 

この選択肢の中で治療者が指示や助言を与える治療法はバイオフィードバック法のみのため5番が正解

芸術療法は絵画・音楽・心理劇などの表現活動を通じて、単なる言葉では説明できない患者の思考や感情を読み取り、患者から解釈を引き出す治療方法。

さいごに

今回は臨床心理学の中でも国家試験に頻出問題である心理療法についてまとめました。

まとめたノートをみるとそこまで覚えることは多くないですね。

心理療法の数はこれだけではないので、試験や問題集で出てきた治療法をこのまとめノートに追加していくと更に勉強が捗るはずです。

こっちゃん

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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